雑兵くん前線基地

感想・夢想・創造

”現代~いま~”に熱狂した過渡期の名作 「Battlefield4」

5年前、二十分の一世紀と書くとかなり昔のことのようにも感じます。

冷凍毒餃子STAP細胞(当時はまだ今より信じられていましたが)、さらにはゴーストライター騒動などテレビで放映したら「そんなこともあったなぁ~」と感慨に浸ることができるほどの時間が流れました。そんな騒動の後に発表から幾星霜の時間と期待を己の中で噛み続け、満を持して2月22日に発売されたのが我が愛機「PlayStation 4」。

そしてそれに抱き抱えられるように共にスタートをきったのが私が家庭機でおそらく最も多くの時間を費やした名作FPS「Battlefield4」だったのです。

 

 

 いやぁ遊びましたよ。当時は専門学校にいた時で、家に帰ると即起動して画面にかじりついていました。あまりに自宅のTVを専有していたために申し訳なくなってゲーム用のモニターを購入したのもこの頃です。

PC版のみの特色であったマルチプレイの64人対戦、60FPSの滑らかな動作、(比較的)安定した動作など以前からプレイしていたPS3版との差は歴然としていました。

自分の周りでもプレイ者が多くこれをきっかけで仲良くなった友人とは今でも交流があります。ネットでもこれ以降BFシリーズだけで3作品がリリースされていますが未だにBF4の評価は高く、発売してもうじき6年が立つこの作品で遊んでいるユーザーの数は少なくありません。

 

 ↑発売以降なかなか評価が上がらず一部で黒歴史扱いされている次作「Battlefield HardLine」自分はキャンペーンとホットワイアモード(自動車を長く保持し続けるモード)が好きでした。

 

ここまで長く愛される作品であるならば他の作品と比べても全ての点が優れているように感じますが、しかしながらBF4は多くの要素を抜き出して比べてみると決して他の作品より「優れた」作品であるとは言えないのです。

まずキャンペーン(一人プレイ専用のストーリーモード)ですが、マルチエンディング方式でエンディングが3種類。そしてクリア特典としてマルチプレイで使用可能な武器が3種類貰えるんです。つまり貰える武器を全てマルチに持ち込みたいならストーリーを3週しなければならないのですが、このストーリーがイマイチ「掴み」が無い

※最終ミッションをストーリー選択で選んで3週する方法もあります。

あらすじとしては

「中国での民主政治化を推し進める中心人物が暗殺され、それの濡れ衣を着せられたアメリカは空母USSヴァルキリーと特殊部隊トゥームストーンを上海に派遣。軍拡派のクーデターやスエズ運河の占拠など攻勢を強める中国軍(人民軍)とそれを裏で支援するロシア軍と戦う」

こういった感じです。

前作BF3対テロ戦争と比べてかなり政治色が強い作品となっており、主人公が関わっていない部分で話が大きく進みます。その為主人公であるレッカー率いるトゥームストーン分隊が到着した頃には戦況が大きく悪化しており、彼らはその中でなんとかやりくりしながら目的の達成を目指していくことになります。


Battlefield 4 - Full Campaign Walkthrough [4K/60FPS]

ですが登場人物の声を当てている演者の皆様の演技は素晴らしいですし、何よりこの作品のキャンペーンが

「ステルス要素無しでド派手なドンパチが合法的にできる最後のBF」

であることを考えるといい部分も多分にあるように思えます。個人的にはもう次回作のBFのキャンペーンにはステルス要素は勘弁して欲しいです。

総評しますと今作のキャンペーンは「文化祭の出し物で揉める応援団長と学級委員のいい愛を横から眺める作品」という感じでしょうか?そんな感じ。

一周だけなら存分に楽しめると思いますよ。途中でデータが飛びさえしなければね…

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一番好きなキャラクターのグリーンランド少佐(中央の女性)

話は本題に入りましてメインのマルチプレイヤーモードです。

前述したとおりPS4に移行してマルチは最大64人対戦&最大60FPSというCS機の戦場の規模を一新したわけですが全くの順風満帆というわけではありませんでした。

 

まずプレイヤーたちを苦しめたのが「ラバーバンド現象」

これはマルチプレイで起きるラグの一種であり、「サーバー間のやり取りの遅れでプレイヤーが前に進んでもゲーム上では実際は進んでおらず本来の位置まで引き戻される」これが繰り返し起こりまるでゴムバンドを背中に付けられ引っ張られているような状態が引き起こされる現象のことをいいます。

PS4版に多くのCS機ユーザーが移行してすぐに発生したこの現象は多くの並進三半規管にダイレクトアタックをかましていきました。

 

さらににわかゲーマーである私を苦しめたのは「厳しすぎる武器解除条件

DLCの武器に「GOL MAGNUM」というスナイパーライフルがあるんですよ。

これの解除条件が「DLCのステージ二つにしかない塔の上から5人の敵を一ラウンドの間で倒せ」というものでもう阿鼻叫喚。

ただでさえ遠くの目標を狙うのは弾速と弾頭落下の概念があるBFでは難しく(上級者の方は普通にやりますけどね!)それを胴体一発キルのできないBFで、建物の破壊表現のあるBFでやるのは私には非常に苦行でした。(もうカスピアンの塔には登りたくないです)

 

しかしながらこれらの思い出は全てこのBF4という作品にいかに多くの時間を費やすだけの魅力があったかという裏返しなのです。

ハードウェアの移行という重大行事をともにくぐり抜け、私のFPS人生の始まりを本格的なものにしました。

初めてPS4版のマルチプレイを体験して思ったことは「これがゲーム機でプレイできるゲームの規模か!」とおったまげました。

PS2でのボリューム革命、PS3での画質革命、そしてPS4での体験革命。

PS4版のBF4、とりわけマルチプレイでの64人対戦は私に「世界とつながっている感覚」を十二分に提供してくれましたし、はっきり言って今でもたまにインストールし直してプレイしています。(DLCのインストールに時間がかかるのが玉に瑕ですが)

ロッカーでの爆発祭りも、列車に乗ってE~D間を行ったり来たりしたのも、ひたすらにカスタマイズをいじりながら射撃演習場にこもったのも、発売から5年(6年)たった今でも懐かしくはないライブな体験記録なのです。

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ひたすらM249乱射した思い出でいっぱいです

時代はBFVに移行し今秋にはアメリカ軍と日本軍の参戦が期待されていますが、この頃の興奮は以降の作品では代替不可能なものであったのは確かでしょう。

作品のクオリティーは元より、プレイヤーたちの移り変わりの歴史の中で常に新鮮な戦場を提供し続けてくれたBF4は現代戦を好む兵士たちの憩いの場となっただけではなく、CSオンラインゲームの歴史の変遷を記録したれっきとした「記念碑」であると私は感じます。

また郷愁に浸りたくなったり、弾幕を好き放題展開したくなった時にはこの場所に帰ってくることでしょう。そしてその時もしこの戦場で会いまみえた時はどうか、ゴムルドのF拠点上で待ち構えるのだけは止めてくださると嬉しいです(笑)